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亡くなった後、財産を調べる。相続財産の調査方法。

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「親の財産、どこに何があるかわからない」

親が亡くなった後、相続手続きを進めようとして最初にぶつかる壁がこれです。

「銀行口座がどこにあるのか」「不動産は登記されているのか」「保険はどこに加入しているのか」「借金はないのか」——これらを調べないと、相続の全体像が把握できません。

財産を見落としたまま遺産分割を進めると、後から発覚した財産や借金によってトラブルになることがあります。まず「何があるか」を丁寧に把握することが、相続の最初の仕事です。


財産調査の基本的な流れ。

①故人の書類・通帳・カード類を確認する

最初に、故人が残した書類・通帳・カードなどを一か所に集めます。

確認するもの

  • 通帳・キャッシュカード(すべての口座)
  • 証券会社・株式の書類
  • 保険証書・生命保険のパンフレット
  • 不動産の権利証・登記識別情報通知
  • 固定資産税の納付書
  • 車の車検証
  • クレジットカード・ローンの書類
  • 年金関係の書類(年金証書・振込通知)
  • 確定申告書の控え(直近3年分)

確定申告書の控えには、受け取っていた収入源(家賃収入・配当金など)が記録されており、財産の手がかりになります。

②財産をリストアップして財産目録を作る

書類を集めたら、「財産目録(ざいさんもくろく)」を作ります。

財産目録は法的に定まった書式はありませんが、後の遺産分割協議や相続税申告に必要になるので、できる限り詳しく書いておきましょう。

財産の種類記載内容
預貯金銀行名・支店名・口座番号・残高
有価証券証券会社名・銘柄・口座番号・評価額
不動産所在地・地目・面積・評価額(固定資産評価額)
生命保険保険会社・保険種類・受取人・保険金額
自動車メーカー・車種・ナンバー・査定額
借金・ローン金融機関名・残高・月々の返済額
その他貸付金・未収家賃・ゴルフ会員権など

銀行口座の調べ方。

通帳が見当たらない場合でも、口座を調べる方法があります。

①通帳・カードから銀行名を探す

古い通帳・キャッシュカード・銀行からの郵便物などから、取引のある銀行を特定します。

②各銀行に「残高証明書」を請求する

取引のある銀行が判明したら、相続人(または相続人の代理人)が窓口に行き、残高証明書と**取引履歴(過去5〜10年分)**を請求します。

必要なもの

  • 故人の死亡が確認できる戸籍謄本
  • 相続人であることを証明する戸籍謄本
  • 相続人本人の身分証明書・印鑑

③「全店照会」を活用する

一部の銀行では、全国の支店を一括で検索する「全店照会」に応じてくれる場合があります。「通帳はないが口座があるかもしれない」という場合は、窓口で相談してみてください。


不動産の調べ方。

①固定資産税の納付書から確認する

故人が固定資産税を払っていた場合、納付書に「所在地・地目・面積」が記載されています。これが最も簡単な確認方法です。

②法務局で「名寄帳(なよせちょう)」を請求する

市区町村の税務課(または法務局)で「名寄帳」を請求すると、その自治体に故人名義の不動産がすべてリストアップされます。

ただし、名寄帳は各自治体ごとの管理です。複数の市区町村に不動産がある場合は、それぞれの自治体で請求する必要があります。

③法務局で登記事項証明書を取得する

不動産の所在地がわかったら、法務局(またはオンライン)で「登記事項証明書(登記簿謄本)」を取得し、所有者・抵当権・担保の状況を確認します。


株式・投資信託の調べ方。

①証券会社からの郵便物を確認する

証券会社から届く「取引残高報告書」「配当金計算書」「特定口座年間取引報告書」などから、口座のある証券会社を特定します。

②証券保管振替機構(ほふり)に問い合わせる

「株を持っていたかもしれないが、証券会社がわからない」という場合は、**証券保管振替機構(ほふり)**に「登録済加入者情報の開示請求」を行うことができます。

相続人であることを証明する書類が必要です。開示には数週間かかります。


生命保険の調べ方。

①保険証書・封筒・引き落とし明細を確認する

保険証書が見つからなくても、銀行口座の引き落とし履歴に「〇〇生命」という記録があれば、加入していた保険会社を特定できます。

②「生命保険契約照会制度」を利用する

2021年から、**生命保険協会の「生命保険契約照会制度」**を利用できるようになりました。

亡くなった方の保険契約を生命保険協会に一括照会することができ、加盟している生命保険会社に契約があるかどうかを確認してもらえます。

必要書類(主なもの)

  • 故人の死亡が確認できる書類(戸籍謄本・死亡診断書)
  • 照会者本人の身分証明書
  • 照会費用(3,000円)

照会結果が出るまで約2週間かかります。

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借金・負債の調べ方。(重要)

財産を調べると同時に、負債(借金)の調査も必ず行ってください。

借金を知らずに相続すると、借金も引き継ぐことになります。

①信用情報機関に照会する

「CIC」「JICC」「全国銀行個人信用情報センター(KSC)」の3機関に問い合わせると、故人のローン・クレジット残高の情報を得られます。

相続人が「相続調査のため」として照会申請できます(機関によって手続きが異なります)。

②税務署に「未納税金」を確認する

所得税・住民税・固定資産税などに未払いがある場合、これも相続財産のマイナス(負債)になります。

③保証人になっていないか確認する

故人が他人の借金の「連帯保証人」になっていた場合、その保証債務も相続の対象になります。書類の中に「保証委託契約書」「連帯保証人」という文字がないか確認してください。


「相続放棄」を検討する場合は3か月以内に。

財産調査の結果、「借金の方が多い」あるいは「借金がどの程度かまだわからない」という場合は、相続放棄という選択肢があります。

相続放棄ができる期間は、相続を知った日から3か月以内です(家庭裁判所への申立)。

財産調査に時間がかかりそうな場合は、3か月の期限内に家庭裁判所に「期限の延長申立」を行うことができます。弁護士・司法書士に相談しながら進めることをおすすめします。


見落としやすい財産・負債チェックリスト。

見落としやすい財産

種類確認ポイント
未請求の配当金株式や投資信託の配当・分配金の未受取分
退職金・弔慰金会社員の場合、死亡退職金が支給されることがある
農地・山林田舎の親族から受け継いだ土地が登記されている場合がある
ゴルフ会員権・リゾート会員権証書が残っていることが多い
電子マネー・仮想通貨スマートフォンのアプリ・取引所の登録を確認
貸付金(個人間の貸し借り)メモ・通帳の振込記録から発見することがある

見落としやすい負債

種類確認ポイント
消費者ローン・カードローン銀行の引き落とし記録・郵便物で確認
連帯保証債務書類の中の「保証」「連帯」という記述
住宅ローン(残債)団体信用生命保険で完済になることが多いが確認が必要
固定資産税の未払い各自治体の税務課に確認
家賃滞納(故人が借主の場合)大家・管理会社に確認

専門家に頼むべきタイミング。

財産の種類が多い・負債が疑われる・相続人が複数いて仲良くないなどの場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。

専門家得意な領域
司法書士相続登記・遺産分割協議書の作成
税理士相続税申告・財産評価
弁護士相続人間のトラブル・遺留分の問題
行政書士相続手続き全般の書類整備

まとめ:財産調査のステップ。

ステップ内容
1通帳・カード・保険証書・権利証などの書類を集める
2銀行・証券・保険の残高証明を請求する
3不動産は名寄帳・登記事項証明書で確認
4生命保険は生命保険契約照会制度を活用
5借金は信用情報機関に照会
6財産目録を作成する
7相続放棄を検討するなら3か月以内に

「何があるかわからない」ことへの不安は、調べることで減らせます。まず手元の書類から始めて、一つずつ確認していきましょう。

わからないことがあれば、司法書士・税理士・弁護士に相談すると、調査の手順を整理してもらえます。

この記事を書いた人

編集部 / 城南終活取材班

城南5区 終活情報エディター

介護・福祉、葬儀・斎場、不動産、ファイナンシャルプランニングの実務経験をもつメンバーが執筆・監修。城南5区(大田・品川・目黒・世田谷・港)の現地を実際に訪ね歩き、足で確かめた一次情報をお届けします。

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