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遺言書が見つかったら。まず、開けてはいけません。

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目次 タップで開閉

親の遺品から、封筒が出てきた。

遺品整理をしていると、引き出しの奥や金庫の中から、封をされた封筒が出てくることがあります。

「遺言書」「開封後は〇〇へ」といった文字を見た瞬間、どうすればいいのか迷う方が多いです。

結論から言うと、自分で開けてはいけません。

遺言書には正しい取り扱いのルールがあります。知らずに開けてしまうと、法律上の罰則(過料)の対象になることがあります。ただし、開けてしまったとしても、遺言書の効力自体が失われるわけではありません。

この記事では、遺言書が見つかったときの正しい対応と、家庭裁判所での手続きの流れをご説明します。


まず確認する。遺言書の「種類」によって対応が変わります。

遺言書には、主に3種類あります。見つかったものがどれかによって、次の手順が変わります。

①自筆証書遺言(じひつしょうしょいごん)

本人が手書きで書いた遺言書です。印鑑が押してあり、封筒に入っていることが多いです。

→ 家庭裁判所の「検認(けんにん)」が必要です。

自分で開けてはいけません。封のままで保管し、家庭裁判所に申立てを行います。

②公正証書遺言(こうせいしょうしょいごん)

公証役場で公証人が作成した遺言書です。原本は公証役場に保管されており、謄本(写し)が手元にある場合もあります。

→ 検認は不要です。

内容を確認し、記載された内容に従って手続きを進めます。相続人が公証役場に問い合わせると原本を確認できます。

③法務局保管の遺言書(2020年7月以降の制度)

2020年7月以降、自筆証書遺言を法務局(遺言書保管所)に預けることができるようになりました。この遺言書は法務局が保管しており、検認不要で利用できます。

親が「法務局に遺言書を預けた」と言っていた場合は、最寄りの法務局に問い合わせてみてください。


自筆証書遺言が見つかったときの手順。

最も多いケースである「自筆証書遺言が手元にある」場合の流れをご説明します。

手順1:絶対に開けず、そのまま保管する

封がされている場合は、開封しないで保管してください。破れないよう注意します。

すでに開封してしまった場合でも、遺言書の内容自体は有効です。ただし、検認を受けずに開封したことが発覚すると、5万円以下の過料が科される可能性があります(民法1005条)。開けてしまった場合でも、速やかに次の手順に進んでください。

手順2:相続人全員に知らせる

遺言書が見つかったことを、相続人になる方(配偶者・子・場合によっては親や兄弟姉妹)全員に知らせます。隠したり、一部の人だけで進めると、後でトラブルになる原因になります。

手順3:家庭裁判所に「検認の申立て」をする

亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てをします。

城南5区の場合の管轄裁判所の目安:

  • 大田区・品川区・目黒区・世田谷区・港区 → 東京家庭裁判所(千代田区霞が関)が管轄となる場合が多いです

※管轄は状況によって変わる場合があります。裁判所の公式サイト「裁判所の管轄区域」で確認してください。

申立てに必要な主な書類

  • 申立書(裁判所のウェブサイトからダウンロード可)
  • 亡くなった方の戸籍謄本(出生から死亡まで)
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 遺言書(封のまま)

費用は収入印紙800円と連絡用の郵便切手です。

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検認とは何をするのか。「確認の儀式」です。

検認(けんにん)は、遺言書の内容を正式に確認・記録する手続きです。遺言書の有効・無効を判断するものではありません。「こういう遺言書が存在した」という事実を裁判所が証明してくれるイメージです。

検認の流れ

  1. 申立書と必要書類を家庭裁判所に提出する
  2. 裁判所から相続人全員に「検認期日(けんにんきじつ)」の通知が届く
  3. 指定された日に裁判所へ出向く(申立人は必ず出席。他の相続人は任意)
  4. 裁判官の前で遺言書を開封し、内容を確認・記録する
  5. 検認済証明書が発行される

申立てから検認まで、1〜2カ月程度かかることが多いです。


遺言書の内容に従えない場合。「遺留分」という権利があります。

遺言書に「財産をすべて長男に」と書いてあったとしても、他の相続人が何も受け取れないわけではありません。

法定相続人(配偶者・子など)には、法律で最低限保証された「遺留分(いりゅうぶん)」という権利があります。

遺留分を侵害された相続人は、遺言による受け取り者に対して「遺留分侵害額の請求(いりゅうぶんしんがいがくのせいきゅう)」ができます。ただし、この請求は相続開始から1年以内に行わないと消滅します。

遺留分について争いが生じそうな場合は、早めに弁護士に相談することをおすすめします。


遺言書がなかった場合は、どうなる?

遺言書が見つからなかった場合は、「法定相続(ほうていそうぞく)」の割合に従い、相続人全員で遺産分割協議(いさんぶんかつきょうぎ)を行います。

遺産分割協議では、全員の合意が必要です。一人でも反対すると話し合いが止まります。揉めやすい状況になる前に、弁護士や司法書士に入ってもらうと手続きがスムーズになります。

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よくある疑問:「口頭で言っていた遺言」は有効?

「財産は全部あなたに渡す、と生前に言っていた」という場合でも、口頭の意思表示は法的な遺言としては認められません。

法律上有効な遺言書は、要件を満たした書面のみです。「言った言わない」のトラブルを避けるためにも、親が元気なうちに遺言書を準備してもらうことが、最善の備えです。


まとめ:見つけたら、まず「保管」。次に「連絡」。

遺言書が出てきたときの対応をまとめます。

  1. 開封しない(自筆証書の場合)
  2. 相続人全員に知らせる
  3. 家庭裁判所に検認の申立てをする
  4. 内容を確認し、手続きを進める

わからないことがあれば、司法書士や弁護士に相談してください。「どこから手をつければいいかわからない」という状態でも、専門家は親身に対応してくれます。相続の手続きは、ひとりで抱え込まないことが大切です。

この記事を書いた人

編集部 / 城南終活取材班

城南5区 終活情報エディター

介護・福祉、葬儀・斎場、不動産、ファイナンシャルプランニングの実務経験をもつメンバーが執筆・監修。城南5区(大田・品川・目黒・世田谷・港)の現地を実際に訪ね歩き、足で確かめた一次情報をお届けします。

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