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眠れないと言う親に、どう向き合うか。高齢者の不眠と睡眠の整え方。
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「夜中に何度も起きているみたい」
「最近、母が夜眠れないと言っている」「夜中に電気がついていて心配」「昼間に居眠りしているのに、夜になると眠れないらしい」——高齢の親の睡眠の問題は、子ども世代にとっても気になる変化のひとつです。
「年だから仕方ない」と放置しがちですが、睡眠の問題は体の病気のサイン・認知症の前兆・転倒リスクの上昇と関係していることがあります。
また、夜間に起きて徘徊したり大きな声を出したりする場合、同居家族(子どもや配偶者)の睡眠も脅かされます。
高齢者の睡眠の変化は「自然なこと」でもある。
まず、高齢になると睡眠のパターンが変化することは、ある程度避けられません。
| 変化 | 内容 |
|---|---|
| 睡眠時間が短くなる | 7〜8時間から6時間以下になることが多い |
| 眠りが浅くなる | 深い眠り(ノンレム睡眠)が減り、中途覚醒が増える |
| 早寝早起きになる | 就寝が早まり、早朝覚醒が起きやすくなる |
| 昼間に眠くなる | 夜間の睡眠不足を昼寝で補おうとするため悪循環になりやすい |
「眠れない」という訴えの中には、「昔と比べて眠れない気がする」という主観的な不満が含まれることもあります。加齢とともに睡眠時間が短くなることは自然なことですが、日中の生活に支障が出ているかどうかが判断の基準になります。
高齢者に多い不眠の種類。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 入眠困難 | 床に入ってもなかなか眠れない |
| 中途覚醒 | 夜中に何度も目が覚める |
| 早朝覚醒 | 予定よりずっと早い時間(午前3〜4時など)に目が覚めて、そのまま眠れない |
| 熟眠障害 | 眠った感じがしない・疲れが取れない |
高齢者では「中途覚醒」と「早朝覚醒」が特に多いです。
不眠を引き起こす原因。
高齢者の不眠には、さまざまな原因が重なっていることが多いです。
①身体的な原因
| 原因 | 内容 |
|---|---|
| 夜間頻尿 | 夜中にトイレに行くために何度も起きる |
| 疼痛(痛み) | 膝・腰・関節の痛みで眠れない |
| 呼吸器疾患 | 喘息・COPD・睡眠時無呼吸症候群 |
| 心疾患 | 心不全による起坐呼吸(横になると息苦しい) |
| 皮膚のかゆみ | 高齢者は皮膚が乾燥しやすく、夜間のかゆみが多い |
| レストレスレッグス症候群 | 脚がむずむずして眠れない |
②精神的・環境的な原因
| 原因 | 内容 |
|---|---|
| 不安・ストレス | 健康不安・孤独感・家族への心配 |
| うつ状態 | 高齢者のうつは不眠として現れることが多い |
| 認知症 | 夜間の睡眠覚醒リズムの乱れ・昼夜逆転 |
| 環境の変化 | 入院・施設入所・引越しなど |
③薬の影響
| 薬 | 影響 |
|---|---|
| 利尿薬 | 夜間頻尿を引き起こす(服薬時間の調整で改善することも) |
| ステロイド薬 | 覚醒・不眠の副作用がある |
| カフェイン含有薬 | 一部の頭痛薬・風邪薬に含まれる |
| 抗ヒスタミン薬(市販の睡眠薬など) | 高齢者では翌日まで眠気が残り、転倒リスクが上がる |
「薬の飲み合わせが不眠の原因になっている」可能性があるため、複数の薬を飲んでいる場合は、かかりつけ医や薬剤師に確認してください。
日常生活でできる睡眠改善のアプローチ。
①昼間の活動を増やす
「昼間に体を動かすこと」が夜の睡眠の質に直結します。
- 日中の散歩・体操(30分程度の有酸素運動)
- デイサービスへの参加(活動量と社会的な刺激が増える)
- 室内でも、できるだけ起きて過ごす時間を確保する
②昼寝は短く・早めに
昼寝は「15〜20分程度、午後3時前まで」が目安です。長時間・夕方以降の昼寝は夜間の睡眠を妨げます。
「起こすのがかわいそう」と思いがちですが、夜間の睡眠を守るためにやさしく声かけしてみてください。
③光と朝のルーティン
朝に太陽の光を浴びることが、体内時計をリセットして夜の睡眠につながります。
- 起床後にカーテンを開ける・窓際に座る
- 天気がよければ少し外に出る
夜は強い光を避ける(スマートフォン・テレビの画面光を寝る前に減らす)。
④寝室の環境を整える
- 室温:冬は暖かく、夏は涼しく。高齢者は温度変化に敏感
- トイレへの動線:夜間のトイレへの移動で転倒しないよう、ナイトライトを設置
- 寝具:体に合ったマットレス・枕の見直し
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受診が必要なサイン。
以下のような状態が続く場合は、かかりつけ医への相談をおすすめします。
| サイン | 考えられる原因 |
|---|---|
| 昼夜逆転が続いている | 認知症・うつ・睡眠覚醒リズム障害 |
| 夜間に大声を上げる・暴れる | レム睡眠行動障害(認知症の前段階として出ることも) |
| いびきが激しく、日中も極端に眠い | 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑い |
| 不眠が続いて日常生活に支障が出ている | うつ状態・身体疾患の可能性 |
| 市販の睡眠薬を常用している | 依存・転倒リスク・翌日の眠気 |
睡眠薬について知っておくこと。
「眠れないなら睡眠薬を」という選択肢は、かかりつけ医が処方するものであれば安全性が確認されています。ただし、高齢者の睡眠薬使用には注意点があります。
| 注意点 | 内容 |
|---|---|
| 転倒リスク | 睡眠薬の効果が朝まで残ると、ふらつき・転倒の原因になる |
| 依存性 | 長期間の使用で薬なしでは眠れなくなることがある |
| 市販薬の危険 | 市販の「睡眠改善薬」(抗ヒスタミン薬)は高齢者向けではない。翌日の眠気・せん妄のリスクあり |
| 急に止めない | 睡眠薬を急に中止すると反跳性不眠(より眠れなくなる)が起きることがある |
「市販の薬をこっそり飲んでいる」という親がいる場合は、かかりつけ医に相談するよう促してください。
介護者自身の睡眠も大切にする。
夜間に親が何度も起き上がる・大声を出す場合、介護をする家族(子どもや配偶者)の睡眠も削られます。
「自分が倒れたら介護できない」——その通りです。
介護者の睡眠不足が続く場合は:
- ショートステイ(短期入所サービス)の活用を検討する
- 夜間対応の訪問介護(定期巡回・随時対応型)を導入する
- ケアマネジャーに「夜間の負担が大きい」と相談する
介護者のレスパイト(休息)は、持続可能な介護のために必要なことです。
まとめ:高齢者の不眠への対応のポイント。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 変化の把握 | 「どんな眠れなさか」「いつから」を具体的に把握する |
| 日中の活動 | 昼間の運動・活動量を増やす |
| 昼寝のコントロール | 15〜20分まで・午後3時前まで |
| 光のリズム | 朝に光を浴び、夜は暗くする |
| かかりつけ医への相談 | 身体疾患・薬の影響・うつの可能性を確認 |
| 市販薬に注意 | 高齢者への市販睡眠薬は転倒リスクがある |
| 介護者の睡眠も守る | レスパイトサービスの活用を検討する |
「眠れない」という訴えを、「年だから仕方ない」と流してしまわないこと。
その一言の背景に、体の病気・孤独・うつ・認知症の始まりが隠れていることがあります。
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この記事を書いた人
編集部 / 城南終活取材班
城南5区 終活情報エディター
介護・福祉、葬儀・斎場、不動産、ファイナンシャルプランニングの実務経験をもつメンバーが執筆・監修。城南5区(大田・品川・目黒・世田谷・港)の現地を実際に訪ね歩き、足で確かめた一次情報をお届けします。
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