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遠距離介護を、どう備えるか。離れて暮らす親への準備。
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「何かあったとき」を、今から準備する。
親が遠くに住んでいる。または、親は城南5区にいるが、自分が地方や海外にいる。そういう「物理的な距離のある親子」の数は、年々増えています。
「まだ元気だから大丈夫」と思っている間は、なかなか動けません。でも「何かあってから」では、準備が間に合わないことも多い。
遠距離介護を「備える」段階で考えておくべきことを、順序立てて整理します。
遠距離介護の現状。
国の調査によれば、要介護の親と子どもが離れて暮らしているケースは全体の約3割にのぼります。
「近くに住んでいる」が正解でも「遠くに住んでいる」が失敗でもありません。ただ、距離がある分「気づくのが遅れる」「すぐ動けない」というリスクはあります。
遠距離介護でよく聞く問題
- 電話では元気そうに話していたのに、帰省したら急激に衰えていた
- 転倒・骨折で入院したと連絡が来たとき、すぐ行けなかった
- 「誰かに相談すればよかった」と思ったが、親の地域のことが何もわからなかった
- 仕事・子育てがあるため、頻繁に帰省できない
まず「親の現状」を把握する。
遠距離介護の備えは、「今の親の状態を知ること」から始まります。
帰省できる機会を使って、以下を確認しておきましょう。
①健康状態の確認
- かかりつけ医はどこか(病院名・診療科・主治医名)
- 定期的に飲んでいる薬は何か(お薬手帳を共有してもらう)
- 最近の健康診断の結果はどうか
- 自覚症状はあるか(最近転んだ・物忘れが増えた・疲れやすいなど)
②生活の状況確認
- 食事は自分で作れているか
- 買い物・通院は自力でできているか
- 掃除・洗濯など家事の状況はどうか
- 近所・地域とのつながりはあるか
③財産・書類の所在確認
- 預貯金の銀行・口座はどこか
- 保険証・年金手帳・不動産の権利書はどこに保管されているか
- 緊急連絡先のリストはあるか
全部一度に確認しようとすると親が負担に感じることがあります。「来たついでに確認させて」という雰囲気で、少しずつ把握していきましょう。
「緊急連絡網」を作っておく。
何かあったとき、誰に最初に連絡が来るか——これを決めていない家族は多いです。
整備しておくべきこと
- 親の近くにいる人(親族・近所の知人)の連絡先リスト
- かかりつけ医・かかりつけ薬局の電話番号
- 地域の地域包括支援センターの電話番号
- 子ども(遠方)の連絡先を、親の近くの人が知っている状態にする
「もしものときは、まずここに電話」という体制を家族で共有しておくことで、緊急時の混乱を防げます。
連絡先リストの共有例
- 親の自宅の見えやすい場所(冷蔵庫のドアなど)に貼る
- エンディングノートに記載してもらう
- スマートフォンの連絡先に「緊急」タグをつけて整理
地域包括支援センターとつながっておく。
地域包括支援センターは、高齢者の生活を支える地域の総合相談窓口です。各市区町村に設置されており、無料で相談できます。
遠距離介護の場合、「自分が行けない代わりに、現地の専門家とつながっておく」ことが重要です。
できること
- 親の状態の定期的な確認・相談
- 介護サービスの案内・つなぎ
- ケアマネジャーとの連携
- 緊急時の対応アドバイス
城南5区の地域包括支援センター
大田区・品川区・目黒区・世田谷区・港区には、それぞれ複数の地域包括支援センターがあります。親の住所の担当センターに「遠くに住んでいる子どもだが、親のことを相談したい」と電話するだけでOKです。
複数のサービスをまとめて比較できます
ICTツールで「見守り」を補う。
毎日電話できない日もある。でも「何かあったらすぐに気づきたい」——そのために、テクノロジーを使った見守りが役に立ちます。
①見守りカメラ
- リビングなどにカメラを設置し、スマートフォンで映像を確認
- 動きを感知したときに通知が来るタイプもある
- プライバシーへの配慮が必要(設置前に親と話し合う)
②センサー型見守りサービス
- ドアセンサー・人感センサーで「今日も動いている」を確認
- 一定時間動きがなければアラートが来るタイプが多い
- カメラより抵抗感が少ない親が多い
③GPS端末・スマートウォッチ
- 外出先の位置情報をリアルタイムで確認
- 認知症の親が外出したときの所在確認に有効
- 転倒検知機能付きのものもある
④日常的な電話・LINE
- 週2〜3回の短い電話でも、変化を感じ取りやすい
- 声のトーン・話の内容から体調の変化に気づくことも
- ビデオ通話(FaceTime・LINEビデオ)は顔色・表情も確認できる
帰省計画を「先に」立てておく。
「なんとなく年に2〜3回」ではなく、帰省のタイミングをあらかじめ決めておくことで、計画的に状態確認ができます。
おすすめの帰省タイミング
- 春(4〜5月):冬の影響で衰えがないか確認
- お盆(8月):夏の体力消耗を確認
- 年末年始(12月〜1月):寒さで生活が困難になっていないか確認
帰省のたびに「1つ確認する」「1つ整理する」というミッションを設定しておくと、効率的に準備が進みます。
「遠くにいるからこそできること」もある。
遠距離介護というと「できないことばかり」と感じがちですが、遠くにいるからこそできることもあります。
遠距離だからこそできること
- 客観的な視点で親の状態の変化に気づきやすい(毎日見ていると変化を見落としやすい)
- 経済的なサポート(介護サービスの費用負担、必要な道具の購入)
- 情報収集・書類整理(親の代わりに調べる・手配する)
- 近くにいる兄弟・親族のサポート(精神的な励まし、役割分担の調整)
「近くにいないこと」を過度に責めず、できる役割を担うことが長続きする介護の秘訣です。
仕事・生活との両立を考える。
遠距離介護が始まると、仕事・育児との両立が課題になります。備える段階で、職場への情報共有と制度の確認をしておきましょう。
知っておきたい制度
| 制度 | 概要 |
|---|---|
| 介護休業 | 家族の介護のために最大93日取得可能(労働基準法) |
| 介護休暇 | 年5日(対象家族が2人以上なら10日)取得可能 |
| 介護のための短時間勤務 | 会社によって制度の有無が異なる |
| テレワーク・フレックス | 緊急帰省しやすい働き方への移行を検討 |
「もしもの時に使える制度」を事前に確認しておくと、いざというときに慌てずに動けます。
「話し合いができる今」に動く。
親がまだ元気なうちに「何かあったらどうしたいか」を話し合っておくことが、遠距離介護の最大の備えです。
話し合っておきたいこと
- 一人での生活が難しくなったとき、どうしたいか(在宅 or 施設 or 子どもの近くに移る)
- 介護が必要になったとき、誰に・どんな支援をしてほしいか
- 入院・手術が必要なとき、延命措置についての考え方
- お金のこと(介護資金として使える財産はあるか)
「こんなことを話したら嫌がられるかも」という心配はありますが、「いざとなったときに困らないために確認したい」という言い方で切り出すと受け入れてもらいやすくなります。
今の状況を話すだけでも、整理できます。
まとめ:備えは「近くにいなくてもできる」。
| やること | タイミング |
|---|---|
| 親の健康・生活状況の確認 | 帰省のたびに |
| 緊急連絡網の整備 | 今すぐ |
| 地域包括支援センターとの連携 | 早めに |
| 見守りツールの導入 | 必要に応じて |
| 帰省計画を年間で立てる | 年初に |
| 親との「もしものとき」の話し合い | 元気なうちに |
遠距離介護の備えは、「いつかやろう」と思っているうちに機会を逃しがちです。
「今度帰ったときに確認しよう」ではなく、「今日、電話で一つ聞いてみよう」くらいの気持ちで動き始めることが大切です。離れていても、できることは必ずあります。
この記事を書いた人
編集部 / 城南終活取材班
城南5区 終活情報エディター
介護・福祉、葬儀・斎場、不動産、ファイナンシャルプランニングの実務経験をもつメンバーが執筆・監修。城南5区(大田・品川・目黒・世田谷・港)の現地を実際に訪ね歩き、足で確かめた一次情報をお届けします。
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