本記事にはプロモーションが含まれます。

フレイルとは。筋力が落ちる前に、できること。

公開:
親子で穏やかに話し合うイメージ
画像はイメージです
目次 タップで開閉

「最近、なんとなく元気がない」は見逃せない。

「父が最近、外出を嫌がるようになった」「母の歩き方がゆっくりになった気がする」——そういった変化に気づいたとき、「年のせいかな」と流していませんか?

その変化が「フレイル」のサインである可能性があります。

フレイルは放置すれば要介護状態に進みやすく、一方で早めに気づけば改善も可能です。「元気なうちに備える」とは、フレイルを知ることでもあります。


フレイルとは何か。

「フレイル(Frailty)」とは、加齢によって心身の機能が低下し、健康と要介護のあいだにある虚弱状態を指します。

健康→フレイル→(軽度)要介護→(中・重度)要介護、という流れの中で、フレイルは「まだ引き返せる段階」です。

日本語では「虚弱(きょじゃく)」とも訳されますが、重要なのは「元に戻れる可能性がある状態」という点です。

状態特徴
健康日常動作・運動に問題なし
フレイル疲れやすい・体重減少・活動量低下などのサインあり
要支援・要介護日常生活に支援・介護が必要な状態

フレイルの5つのサイン。

国際的に広く使われるフレイルの評価基準(Friedの基準)では、次の5項目のうち3つ以上あてはまればフレイル、1〜2つならプレフレイル(予備軍)とされます。

サイン具体的な状態
体重減少1年で2〜3kg以上の意図しない体重減少
疲労感「何をするにも疲れる」「気力がわかない」
筋力低下握力の低下(男性26kg未満、女性18kg未満が目安)
歩行速度の低下歩くのが遅くなった(1m/秒以下が目安)
活動量の低下外出が減った、運動しなくなった

「3つ以上あてはまる親」がいれば、フレイルの段階に入っている可能性があります。


なぜフレイルになるのか。

フレイルには3つの側面があります。

①身体的フレイル

筋力の低下(サルコペニア)・体重減少・疲労感・活動量の低下。

サルコペニアとは「加齢による筋肉量・筋力の低下」を指す言葉です。人間の筋肉は40代から少しずつ減り始め、70代以降は急激に減少することがあります。

②認知的フレイル

認知機能の軽度の低下(物忘れ・判断力の低下)と身体的フレイルが重なった状態。身体が衰えると認知機能も落ちやすくなります。

③社会的フレイル

外出しない・人との交流が減る・閉じこもり。孤独感は身体的なフレイルを加速させます。


フレイルを見分けるチェックリスト。

以下を親に対して確認してみてください。

食事・栄養

  • 以前より食欲が落ちた
  • 硬いものを食べなくなった
  • 体重が減っている(本人も気づいていないことがある)

身体活動

  • 歩くのが遅くなった
  • 階段を使わなくなった
  • 重いものが持てなくなった

社会参加・生活

  • 外出の頻度が減った
  • 趣味の活動をやめてしまった
  • 「疲れた」「だるい」が口癖になった
  • ひとり食事が増えた

認知・精神

  • 物の置き忘れが増えた
  • 「やる気が起きない」が続く

フレイル予防の3本柱。

フレイルは、以下の3つのアプローチで予防・改善できることが研究で示されています。

①栄養:タンパク質をしっかり摂る

フレイルと筋力低下の大きな原因のひとつが「低栄養」です。特にタンパク質(肉・魚・卵・大豆)の不足が筋肉量の減少につながります。

タンパク質の目安(65歳以上)1日の目標量
男性60〜65g程度
女性50〜55g程度

「最近は食が細くなって、米と漬物ばかり」という親には、まず一品たんぱく質を増やすことから始めてみてください。

タンパク質が多い食品(1食分目安)

  • 鶏むね肉(100g):約23g
  • 木綿豆腐(1/2丁):約7g
  • 卵(1個):約6g
  • サバ缶(1缶):約17g

②運動:筋力トレーニング+有酸素運動

「歳だから運動はもう無理」は誤解です。70代・80代でも、適切な運動で筋力は回復します。

フレイル予防に効果的な運動

運動の種類
下肢筋力トレーニング椅子からの立ち座り(スクワット変形)、踵上げ
バランストレーニング片足立ち(30秒×左右)、タンデム歩行
有酸素運動毎日の散歩(30分目安)、水中歩行

「ジムに行かなければ」と思わなくていいです。自宅でのスクワット10回×3セットや、近所への買い物に歩いて行くことから始まります。

③社会参加:外に出る理由を作る

孤立はフレイルを悪化させます。外に出る「理由」や「楽しみ」を持つことが重要です。

  • 地域の体操教室・シニア向けスポーツクラブ
  • ボランティア・地域活動
  • 趣味のサークル
  • 孫や友人との定期的な食事

社会参加している高齢者はフレイルになりにくいという研究結果があります。「みんなと一緒に」という環境が運動を続ける力にもなります。

城南5区のフレイル予防・介護予防サービスを調べる

大田区・品川区・目黒区・世田谷区・港区の地域サービス情報


城南5区のフレイル予防の取り組み。

大田区・品川区・目黒区・世田谷区・港区では、それぞれ介護予防・フレイル予防のための地域プログラムが整備されています。

支援の種類内容・場所
介護予防教室区が主催する体操・栄養・口腔ケアの教室(無料または安価)
地域包括支援センターフレイルチェック・相談を受け付けている
通いの場・ふれあいサロン地域のコミュニティスペースで週1〜2回開催されているグループ活動
かかりつけ医の連携フレイル評価→介護予防サービスへの案内をしてくれる医師も増えている

**東京都が普及を進める「フレイル健診」**も導入されており、75歳以上の後期高齢者は区の窓口でフレイルに関する質問票に答えることができます。「一度チェックしてみる」というだけでも大きな一歩です。


「気づいたときが、始め時」

フレイルで怖いのは「気づかないまま進んでいく」ことです。体重が少しずつ減っていても、本人も家族も「年のせい」と見逃してしまう。

でも、気づいた段階から行動を変えれば、進行を止めることができます。完全に元の状態に戻せなくても、現状を維持すること・悪化を緩やかにすることは十分に可能です。

「最近、親の様子がちょっと気になる」と感じたなら——それが行動のサインです。


まとめ:フレイル予防の5ステップ。

ステップ内容
1フレイルの5つのサインを親に照らし合わせてみる
2食事のタンパク質が足りているか確認する
3外出・運動の習慣を一緒に作る(一人では続かないことが多い)
4地域の体操教室・通いの場への参加を勧める
5地域包括支援センターで相談・フレイルチェックを受ける

介護状態になる前に——フレイルに気づき、予防に動くことが、親にとっても家族にとっても最善の「備え」です。

この記事を書いた人

編集部 / 城南終活取材班

城南5区 終活情報エディター

介護・福祉、葬儀・斎場、不動産、ファイナンシャルプランニングの実務経験をもつメンバーが執筆・監修。城南5区(大田・品川・目黒・世田谷・港)の現地を実際に訪ね歩き、足で確かめた一次情報をお届けします。

現地取材 12件 運営者情報を見る →

あわせて読みたい

親子で穏やかに話し合うイメージ
備える

親の一人暮らし、心配になってきたら。

高齢の親が一人で暮らしていることへの不安を感じたとき、今すぐできる安心対策と見守りサービスの選び方を城南5区在住の方向けに解説します。