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任意後見制度とは。親が元気なうちに、後見人を決めておく。
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「もしもの時」は、突然やってくる。
親が元気でいる。それは、ありがたいことです。でも、その「元気」がいつまでも続くとは限りません。
脳梗塞(のうこうそく)や認知症(にんちしょう)によって、判断能力が突然、あるいはじわじわと失われていく。そうなったとき、親自身は自分の財産や生活に関することを、法律上、ひとりでは決めにくくなります。
「家族がいるから大丈夫」と思われるかもしれません。でも実際には、家族であっても、親の銀行口座を勝手に動かしたり、不動産を売ったりすることは、法律上できないのです。
そのとき頼りになる制度のひとつが、**任意後見制度(にんいこうけんせいど)**です。
親が元気で判断力のあるうちに、「この人に任せたい」という後見人をあらかじめ決めておく制度です。
この記事では、任意後見制度の仕組みと手続きの流れを、城南5区(大田・品川・目黒・世田谷・港)に暮らす50代の方に向けてご説明します。
任意後見制度とは、何ですか。
任意後見制度は、本人が判断能力のあるうちに、将来の後見人と契約を結ぶ制度です。
正式には「任意後見契約」と呼ばれ、公証人(こうしょうにん)が作成する公正証書(こうせいしょうしょ)によって結ばれます。契約の内容は「財産の管理」「医療・介護に関する手続き」「日常生活の支援」など、本人が自分で決めることができます。
通常の成年後見制度との違い
認知症などで判断能力が低下した後に、家庭裁判所が後見人を決める制度を「法定後見(ほうていこうけん)」と呼びます。これは本人が選べません。
一方、任意後見は「本人が元気なうちに、信頼できる人を自分で選ぶ」制度です。子どもや配偶者、あるいは信頼できる友人、弁護士・司法書士などの専門家を後見人にすることができます。
任意後見人ができること、できないこと。
後見人(こうけんにん)に委任(いにん)できる主な内容は以下のとおりです。
できること(契約に盛り込める範囲)
- 預金の引き出しや振り込みなど、日常的な財産管理
- 不動産の売却や管理(家庭裁判所の監督下で)
- 介護サービスや施設入居の契約手続き
- 医療機関への入院手続きや費用の支払い
- 税金・保険料などの支払い管理
できないこと
- 遺言書(いごんしょ)の作成(これは本人のみ可能)
- 婚姻・養子縁組など身分に関する行為
- 本人の意思に反する決定
後見人はあくまで「本人をサポートする」役割です。本人の財産を自由に使えるわけではなく、家庭裁判所が選ぶ「任意後見監督人(にんいこうけんかんとくにん)」によって監視されます。
司法書士・弁護士による初回無料相談が多数
手続きの流れ。公証役場に行くだけで始まります。
任意後見契約の締結は、思ったより難しくありません。流れをご説明します。
ステップ1:後見人になる人を決める
まず「誰に任せるか」を決めます。
多くの場合、子どもや配偶者が候補になります。近くに住んでいる、信頼できる、という観点で選ぶことが多いです。家族に頼めない場合は、司法書士や弁護士に依頼する「専門職後見」という選択肢もあります。
ステップ2:委任する内容を決める
何を後見人に任せるかを話し合って決めます。「財産管理全般」にするか、「医療・介護の手続きのみ」にするか、細かく設定できます。
ここで、将来自分がどう暮らしたいか(施設に入りたいか、在宅で過ごしたいかなど)をあらかじめ伝えておくと、後見人も動きやすくなります。
ステップ3:公証役場で公正証書を作成する
最寄りの公証役場(こうしょうやくば)に予約を入れ、本人と後見人の候補者が一緒に出向きます。公証人が内容を確認し、公正証書として作成します。
城南5区には複数の公証役場があります。最寄りの役場は「日本公証人連合会」の公式サイトで検索できます。費用の目安は手数料として1〜2万円程度ですが、財産の規模や委任内容によって変わります。
ステップ4:判断能力が低下したとき、制度が動き出す
契約を結んだだけでは、後見人はまだ動けません。親の判断能力が低下したときに、後見人が家庭裁判所に「任意後見監督人の選任(せんにん)」を申立てます。裁判所が監督人を決めて初めて、後見人として活動できるようになります。
「まだ早い」と思うかもしれません。でも、早いほどいい。
任意後見制度を知っていても、「うちの親はまだ元気だから」と後回しにしてしまう方が多いのが現実です。
でも、判断能力が低下してからでは、この制度は使えません。「本人が理解して契約できる状態」が前提です。認知症の診断が出た後では、法定後見の手続きになります。
親が「今は大丈夫」と感じているとき。そのタイミングが、一番スムーズに進められる時期です。
初回無料・オンライン対応可能な事務所も
「財産管理委任契約」と組み合わせると、より安心。
任意後見契約と一緒に「財産管理委任契約(ざいさんかんりいにんけいやく)」を結ぶケースも多いです。
財産管理委任契約は、まだ判断能力があるうちから、通帳の記帳や公共料金の支払い手続きなどを代わりに行ってもらう契約です。任意後見は「将来の備え」、財産管理委任は「今からのサポート」と考えるとわかりやすいです。
たとえば、足腰が不自由になって銀行の窓口に行けなくなった親をサポートしながら、いざというときに後見人として動ける準備も整えておく。そういう使い方ができます。
2つの契約を同時に公正証書として作成できるため、手間もまとめられます。
城南5区で相談できる場所。
任意後見制度について相談できる窓口は複数あります。
区の法律相談窓口
各区では弁護士や司法書士による無料相談を定期開催しています(予約制がほとんどです)。大田区・品川区・目黒区・世田谷区・港区それぞれの公式サイトで「法律相談」と検索すると、開催日程と予約方法を確認できます。
司法書士・弁護士への個別相談
より具体的な内容(委任の範囲、費用の見積もりなど)を詰めるには、専門家への個別相談が確実です。城南5区には事務所も多く、オンライン相談に対応しているところも増えています。「任意後見 城南」「成年後見 大田区」などで検索すると見つけやすいです。
法テラス
収入が一定以下の場合、法テラス(日本司法支援センター)を通じて無料相談や立替制度を利用できます。経済的な理由でためらっている場合は、まず法テラスへの問い合わせを検討してください。
まとめ:備えは、親が元気なうちにしかできません。
任意後見制度は、親が自分の意思で「この人に任せたい」と決められる、最後のチャンスかもしれません。
話し合いを避けていると、気づいたときには選択肢が狭まっていることがあります。
「親と老後について話す」きっかけとして、任意後見制度を一緒に知ることから始めてみませんか。難しい話ではありません。「何かあったとき、あなたに頼んでいいか」という一言から、始まります。
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この記事を書いた人
編集部 / 城南終活取材班
城南5区 終活情報エディター
介護・福祉、葬儀・斎場、不動産、ファイナンシャルプランニングの実務経験をもつメンバーが執筆・監修。城南5区(大田・品川・目黒・世田谷・港)の現地を実際に訪ね歩き、足で確かめた一次情報をお届けします。
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