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親の免許返納。どう切り出しますか。
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「まだ乗れる」と親は言う。
助手席に乗っていて、ひやりとした。車線変更がぎこちなかった。ブレーキが遅い気がした。
でも親に「そろそろ免許を返したら」と言い出せない。プライドを傷つけてしまうか。移動手段を奪ってしまうか。喧嘩になるか。
そういう気持ちを抱えたまま、月日だけが過ぎていく。そういう方が多いのが現実です。
この記事では、高齢の親への免許返納の切り出し方と、返納後の生活をどう支えるかを、城南5区(大田・品川・目黒・世田谷・港)の交通事情も踏まえてご説明します。
高齢ドライバーの事故は、なぜ増えているのか。
加齢とともに、動体視力(どうたいしりょく:動くものを見る力)や反射神経が低下します。また、認知症の初期段階では、本人が気づかないまま判断力が落ちていることもあります。
「自分は大丈夫」と感じていることと、実際の運転能力は、必ずしも一致しません。
75歳以上のドライバーには、免許更新時に認知機能検査(にんちきのうけんさ)と高齢者講習が義務づけられています。また、一定の違反があった場合は運転技能検査も必要です。
こうした制度は安全のためのものですが、「試験に受かれば乗り続けていい」というわけではなく、日常の運転に不安を感じ始めたら、本人・家族で話し合うタイミングです。
返納をすすめるより前に、知っておきたいこと。
「免許を返して」と言う前に、親の立場で考えてみることが大切です。
車は「自由」の象徴です
地方出身の方にとって、あるいは長年車を使ってきた方にとって、車は単なる移動手段ではありません。「好きなときに、どこへでも行ける」という自由の象徴です。
返納 = 自由を失う、と感じる方が多い。それは自然な気持ちです。
返納後の生活が見えないと、踏み出せない
「返したらどうやって買い物に行くのか」「病院はどうするのか」という不安が解消されないまま、返納だけをすすめても受け入れてもらいにくいです。
返納後の生活の見通しを、先に一緒に考えることが、話し合いをスムーズにします。
城南5区は、車がなくても暮らしやすい地域です。
これは、返納を考えるうえで大きなポイントです。
城南5区(大田・品川・目黒・世田谷・港)は、東京の中でも公共交通機関が充実したエリアです。
- 鉄道: JR・東急・京急・小田急・東京メトロなど複数路線が走る
- バス: 都営バス・東急バスなど、細かな路線が生活エリアをカバー
- コミュニティバス: 各区が運営する低価格の巡回バスがある区も
- タクシー: ウーバーなどのタクシーアプリも普及が進んでいる
「車がないと生活できない」という地域ではないため、返納後の生活をリアルに描けることが、話し合いの助けになります。
切り出し方のヒント。「やめて」ではなく「一緒に考えたい」。
免許返納の話を切り出すときに、避けたほうがいい言葉があります。
避けたい言葉
- 「もう年だから」
- 「危ないからやめて」
- 「事故を起こしてからじゃ遅い」
これらは正しいことを言っているのに、プライドを刺激して防御反応を引き起こします。
効果的なアプローチ
①ニュースや身近な話題から入る
高齢ドライバーの事故ニュースや、知人の話題から「うちも考えておかなきゃね」と自然に始める。「あなたが危ない」ではなく「世の中のこととして」入ると受け入れやすいです。
②返納後の生活を先に話し合う
「返したとして、どうやって病院に行く?」「買い物はどうする?」という具体的な話を先にする。解決策が見えると、返納が「終わり」ではなく「次のステップ」に感じられます。
③本人の言葉を引き出す
「最近、運転していてどう感じてる?」と聞いてみる。本人が「夜は少し怖い」「合流が難しくなった」と言い始めたら、それが話し合いのきっかけになります。
④焦らない。何度かに分けて話す
一度の話し合いで結論を出そうとしない。時間をかけて、本人が自分で決断できる状況を作ることが大切です。
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自主返納のメリット。返した後に得られるもの。
免許を自主的に返納すると、いくつかの特典・サポートがあります。
運転経歴証明書(うんてんけいれきしょうめいしょ)
返納後に申請できる公的な身分証明書です。マイナンバーカードを持っていない方にとって、有用な身分証になります。
東京都・各区の支援制度
東京都では、自主返納した高齢者を対象に、タクシーや公共交通機関の割引支援を行っています(制度の内容・対象は変更されることがあります。最新情報は各区の公式サイトでご確認ください)。
- 大田区・品川区・目黒区・世田谷区・港区いずれも独自の支援メニューがある場合があります
- タクシー補助券、ICカードへのチャージ補助などが代表的な制度です
返納前に区の窓口やウェブサイトで確認しておくと、「返したらこれが使える」という具体的なイメージを親に伝えられます。
返納後の移動手段をセットで考える。
返納後、親が一人でも動ける環境を整えることが、スムーズな移動につながります。
①タクシーアプリの設定
スマートフォンにタクシーアプリ(GO、S.RIDEなど)を設定しておく。電話をかけなくても呼べるため、高齢者にも使いやすいです。最初に一緒に操作して練習しておくと安心です。
②買い物の代替手段
スーパーの宅配サービス、ネットスーパー、生協(コープ)の配達などを活用する。コープ系の宅配は、週1回の配達で食品・日用品をまとめて届けてもらえます。
③定期的な通院の段取り
かかりつけの病院への定期通院は、近くの調剤薬局の往診や薬の配達、あるいはタクシー定期契約などで対応できる場合があります。通院先に相談するのも一つの手です。
まとめ:返納は「終わり」ではなく、「次の章」です。
免許返納は、親の生活が縮小することではありません。安全に、安心して暮らし続けるための、生活の組み直しです。
話し合いは一度では終わらなくていい。焦らず、親の気持ちに寄り添いながら、一緒に「返納後の暮らし」を設計していく。それが、長く続く関係を守ることにもなります。
まずは「返納したら何が変わるか、一緒に考えてみよう」という一言から始めてみてください。
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この記事を書いた人
編集部 / 城南終活取材班
城南5区 終活情報エディター
介護・福祉、葬儀・斎場、不動産、ファイナンシャルプランニングの実務経験をもつメンバーが執筆・監修。城南5区(大田・品川・目黒・世田谷・港)の現地を実際に訪ね歩き、足で確かめた一次情報をお届けします。
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