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介護が必要な親の防災準備。避難計画と「在宅避難」の考え方。

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「地震が来たとき、親を連れて逃げられるか」

日本に住んでいる限り、地震・台風・洪水などの自然災害は避けられません。

元気な人でも避難は大変です。歩くのが不自由な高齢者、認知症のある親、一人暮らしのお年寄り——「いざというとき、どうするか」を事前に決めておかないと、いざというときに動けません。

この記事では、介護が必要な親をもつ家族が、今から準備できる防災対策を整理します。


高齢者が災害で被害を受けやすい理由。

災害が起きたとき、高齢者は特に被害を受けやすい状況にあります。

リスク内容
身体的な制限歩行が不自由・車いす使用・足が遅い
情報収集が難しい難聴・視力低下で、警報・テレビの情報が届きにくい
判断が遅れる認知症・混乱による「まだ大丈夫」という判断の誤り
慣れない場所が苦手避難所での生活に適応しにくい
医療・介護依存薬・医療機器・介護サービスが避難先で使えなくなる

東日本大震災・熊本地震では、死者の約65%が60歳以上の高齢者でした。平時から「高齢者の避難計画」を立てることが非常に重要です。


まず確認:「避難行動要支援者」の登録制度。

「避難行動要支援者(ひなんこうどうようしえんしゃ)」制度をご存知ですか?

これは、高齢者・障がい者・難病患者など、自力で避難することが困難な人の名簿を市区町村が作成し、地域の支援者と共有する制度です(災害対策基本法に基づく)。

登録すると、近隣の民生委員・地域の支援者・消防・警察が「この家に支援が必要な方がいる」と把握してくれます。

城南5区での登録方法

申請窓口
大田区地域福祉課・各地域包括支援センター
品川区防災課・各地域包括支援センター
目黒区地域福祉課
世田谷区福祉部・各地域包括支援センター
港区防災危機管理室・地域包括支援センター

登録対象の目安

  • 要介護3以上
  • 身体障がい者手帳(1〜2級)
  • 認知症高齢者(日常生活自立度Ⅱ以上)
  • 一人暮らし高齢者

「親だけで逃げるのは難しい」と感じるなら、まず区役所に問い合わせてみてください。


「個別避難計画」を作っておく。

避難行動要支援者の登録とあわせて「個別避難計画」の作成が推奨されています。

個別避難計画とは、「誰が・どこに・どのルートで・どのタイミングで避難するか」を事前に決めた計画書です。

個別避難計画に盛り込む内容

項目内容
避難先第1・第2・第3候補(自宅近く・親族宅・避難所)
避難のタイミング警戒レベル何で動くか
避難手段徒歩・車いす・介護タクシー・家族の車
支援者近隣で助けてくれる人の名前と連絡先
医療・介護情報持病・服薬リスト・かかりつけ医・ケアマネジャーの連絡先
避難所での配慮事項食事制限・車いす・認知症への配慮

ケアマネジャー・地域包括支援センターと一緒に作成することを強くおすすめします。


城南5区の災害リスクを知る。

城南5区はそれぞれ異なる地理的リスクを持っています。

主なリスク
大田区多摩川沿いの水害リスク・臨海部の液状化リスク
品川区低地の浸水・京浜運河沿いの水害
目黒区急傾斜地(崖崩れ)・目黒川沿い洪水リスク
世田谷区多摩川・野川沿いの水害リスク
港区臨海部の液状化・津波(大規模地震時)

**各区のハザードマップ(洪水・土砂災害・地震)**は各区のウェブサイトで公開されています。自宅の住所でリスクを確認しておきましょう。


「在宅避難」か「避難所避難」か。

高齢者にとって、避難所生活は大きな負担になることがあります。

  • 雑然とした環境でのストレス
  • 認知症のある方の混乱・夜間徘徊
  • トイレが遠い・使いにくい
  • 介護サービスが受けられなくなる
  • プライバシーがない

そのため、「自宅が安全なら、在宅避難が現実的な選択肢」になることがあります。

在宅避難に必要な備え

備蓄品目安量(1人・1週間分)
飲料水2L×7日=14L(1日2L目安)
食料5日〜7日分のレトルト・缶詰・フリーズドライ
常備薬・処方薬7〜14日分(かかりつけ医に相談して余裕を持たせる)
医療・介護用品おむつ・カテーテル・吸引器の予備バッテリー等
携帯トイレ断水に備えて7日分程度
懐中電灯・ラジオ手回し・ソーラー充電タイプが安心
モバイルバッテリースマートフォン・補聴器の充電用

在宅避難が難しい場合(建物が危険・浸水区域・ガス漏れ)は速やかに避難してください。「在宅避難は安全が確認できる場合の選択肢」です。


認知症の親の防災対策。

認知症のある方は、災害時に特に注意が必要です。

事前の準備

  • 名前・住所・緊急連絡先を書いた「迷子防止カード」を財布や上着のポケットに入れる
  • GPS機器(見守り端末)を携帯させる
  • 地域の民生委員・近隣住民に事前に知らせておく

避難時の注意

  • 混乱しやすいため、「ゆっくり・同じ声のトーン・短い言葉」で状況を説明する
  • 大きな音(警報・ヘリコプター)に過敏に反応することがあるため、そばを離れない
  • 避難所での環境の変化はBPSD(行動・心理症状)を悪化させることがある

認知症の方向けの「福祉避難所」が城南5区にも設置されています。事前に担当ケアマネジャーや区の担当窓口に確認しておくと安心です。

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家族が離れて暮らすときの備え。

「親は城南5区に住んでいるが、自分は遠方に住んでいる」——遠距離の場合の防災対策も考えておきましょう。

準備すること内容
近隣との関係構築民生委員・近隣住民の連絡先を把握しておく
見守りサービスの利用センサー・ボタン型端末で安否確認
「避難行動要支援者」への登録地域の支援ネットワークに把握してもらう
緊急連絡先リストの共有親の近くに住む知人・ケアマネジャーへの連絡先を控えておく
安否確認の手段を決める「災害後は○○にLINEを入れる」というルールを家族で決める

まとめ:今すぐできる防災準備5ステップ。

ステップ内容
1「避難行動要支援者」に登録する(各区役所・地域包括支援センターに相談)
2ハザードマップで自宅のリスクを確認する
3個別避難計画を作る(ケアマネジャーと一緒に)
4薬・医療用品・飲料水・食料を7日分備蓄する
5近隣の支援者・民生委員と顔をつなぐ

「まさか自分の地域で」——そう思っているときに災害は来ます。

「準備のある家族」と「準備のない家族」では、いざというときの行動に大きな差が出ます。今できる一歩を、今踏み出してください。

この記事を書いた人

編集部 / 城南終活取材班

城南5区 終活情報エディター

介護・福祉、葬儀・斎場、不動産、ファイナンシャルプランニングの実務経験をもつメンバーが執筆・監修。城南5区(大田・品川・目黒・世田谷・港)の現地を実際に訪ね歩き、足で確かめた一次情報をお届けします。

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