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高齢者の孤独と、社会とのつながり。孤立を防ぐための準備。

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「最近、家にいることが多くなった」

「父が退職してから、外に出なくなった」「母が友人と会う機会が減ったみたい」「どうも一人でいることが増えている」——親の変化に気づいたとき、それをどう受け止めるか。

高齢者の「孤独」は、見た目には静かです。騒がしくない。でも、じわじわと体と心を蝕んでいきます。

社会的つながりが薄くなった高齢者ほど、認知症・うつ・フレイルのリスクが上がることは、国内外の研究で繰り返し示されています。


「孤独」と「孤立」の違い。

状態内容
孤独(こどく)社会的なつながりが少ない、または感じられない「主観的な感覚」
孤立(こりつ)実際に他者との接触・交流が少ない「客観的な状況」

孤独と孤立は重なることが多いですが、一人でも満足している人もいれば、人に囲まれていても孤独を感じる人もいます。

「一人が好きなんだから大丈夫」という言葉の裏に、本当はつながりを求めている場合もあります。


孤独・孤立が健康に与える影響。

影響内容
認知症リスクの増加社会的孤立は認知症発症リスクを約1.6〜2倍高めるという研究がある
うつ・抑うつ状態孤独感は精神的な健康を大きく損なう
フレイルの進行外出しない→運動不足→筋力低下→フレイルへ
死亡リスクの増加喫煙・肥満と同程度の健康リスクという研究もある
孤独死一人で亡くなり、発見が遅れる事態

特に「孤独死」は、都市部の一人暮らし高齢者にとって現実的なリスクです。城南5区(大田区・品川区・目黒区・世田谷区・港区)でも毎年多くの孤独死が報告されています。


高齢者が孤立しやすい「きっかけ」。

孤立は突然起きるのではなく、いくつかのきっかけが積み重なって進んでいきます。

きっかけ内容
配偶者との死別「家に帰ったら一人」という生活の変化
退職職場のつながりがなくなる
引越し・子世帯との別居慣れ親しんだ地域・関係が断たれる
体力低下・病気外出が難しくなり、人と会う機会が減る
運転免許返納行動範囲が縮小する
友人・知人の死同世代のつながりが失われる
デジタルの苦手意識オンラインでの連絡が難しく、情報から取り残される感覚

これらの出来事がいくつか重なったとき、孤立が一気に進むことがあります。


社会的つながりを保つための「仕組み」。

「外に出てください」「友達を作ってください」と言うだけでは難しいことがあります。つながりを保つには、日常の中に「外に出る理由」を作ることが重要です。

①定期的な「行く場所」を持つ

内容
地域の体操教室・介護予防教室区が主催。無料または安価で参加できる
シニア向けサークル・趣味の会音楽・書道・ガーデニング・将棋など
図書館・コミュニティセンター涼しく安全な居場所として活用できる
宗教施設(お寺・神社・教会)地域の行事・集まりへの参加

「行く場所」があることで、規則的な外出習慣が生まれます。

②「誰かの役に立てる」場を持つ

「役に立っている」という感覚は、精神的な健康を保つ上で非常に重要です。

  • 地域のボランティア活動
  • 孫の世話・子どもの見守り
  • 民生委員・自治会活動への参加
  • 就労(シルバー人材センターなど)

③デジタルでのつながりも活用する

スマートフォンのビデオ通話(LINEなど)を使えるようにしておくと、遠くに住む家族・友人との定期的なコミュニケーションが可能になります。

「使い方がわからない」という親には、子どもが一緒に設定・練習するところから始めましょう。


城南5区の地域支援の取り組み。

城南5区それぞれで、高齢者の孤立予防・社会参加支援の取り組みが行われています。

主な取り組み
大田区「ふれあいセンター」「シニアクラブ(老人クラブ)」での交流活動
品川区「地域の縁側」事業・シニアサポートセンターでの相談
目黒区「目黒区ほっとネットワーク(見守り活動)」
世田谷区「ふれあいの家」「区民活動サポートセンター」
港区「港区はなみずき(社会福祉協議会)」・シニアクラブ活動

地域包括支援センターに「親が外に出る機会を増やしたい」と相談すると、地域のプログラムや活動を紹介してもらえます。


一人暮らしの親がいる家族へ。

一人暮らしの親がいる場合、孤立リスクは特に高まります。

家族にできること

取り組み内容
定期的な連絡毎日または週に数回、電話・ビデオ通話・LINEで声かけ
帰省・訪問の頻度を増やす体と顔を見ることで、変化に気づける
地域の見守りサービスを活用センサー・配食サービス・郵便局の見守り等
近隣との関係を整える隣人・民生委員に「親の様子が変だったら連絡してほしい」とお願いしておく
緊急連絡先の共有ケアマネジャー・かかりつけ医・近隣の知人の連絡先を把握する
城南5区の高齢者見守り・相談サービスを調べる

大田区・品川区・目黒区・世田谷区・港区の地域包括支援センター


「つながりたい」という気持ちを引き出す。

「外に出ろ」「友達を作れ」と言われても、高齢者が自発的に動くことはなかなか難しい場合があります。

うまくいくアプローチ

  • 「試しに一回だけ行ってみる?」と誘う(ハードルを下げる)
  • 家族が一緒に参加してみる(最初だけでも)
  • 何かを「頼む」形にする(「孫の話し相手になってほしい」など)
  • 以前好きだったことを再開するきっかけを作る

「行かせる」より「一緒に行く」「頼る」の形の方が、うまくいくことが多いです。


まとめ:孤立を防ぐための5つの備え。

備え内容
1「外に出る理由」(定期的な活動の場)を一つ以上持つ
2地域のシニアクラブ・介護予防教室の情報を調べる
3家族との連絡を定期化する(週1回でも)
4一人暮らしの場合は近隣・民生委員との関係を整える
5「孤立のきっかけ」(退職・引越し・免許返納)が起きたら積極的に対策を打つ

「まだ元気だから大丈夫」——そう思っているうちに、つながりは少しずつ細くなっていきます。

「元気なうちに」つながりを広げ、深めることが、老後を豊かに生きる基盤になります。

この記事を書いた人

編集部 / 城南終活取材班

城南5区 終活情報エディター

介護・福祉、葬儀・斎場、不動産、ファイナンシャルプランニングの実務経験をもつメンバーが執筆・監修。城南5区(大田・品川・目黒・世田谷・港)の現地を実際に訪ね歩き、足で確かめた一次情報をお届けします。

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