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遺影写真を、生前に準備しておく。選び方と保管のこと。

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静かな式場のイメージ
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「いざとなったとき、どの写真にすればいい?」

親が亡くなって葬儀の準備をするとき、遺族が困ることのひとつが「遺影写真探し」です。

「笑顔の写真が見当たらない」「一人で写っているものがない」「スマートフォンの中にいくつもあるが、どれがいいかわからない」——そんな状況の中で、悲しみのさなかに写真を選ぶのは、想像以上に大変なことです。

生前に準備しておけば、その負担がなくなります。そして、自分の意思で「こういう写真を飾ってほしい」と伝えることができます。


遺影写真とは。

遺影写真(いえいしゃしん)は、葬儀の祭壇に飾られる故人の写真です。

葬儀の間、祭壇の中央に置かれ、参列者が故人の顔を見ながらお別れをする大切な写真です。四十九日以降は仏壇の横に飾られ、法要の際にも使われます。

一般的なサイズ

  • 葬儀用:四つ切りサイズ(254×305mm)または八つ切りサイズ(203×254mm)
  • 仏壇・法事用:A4またはL版などに縮小したもの

葬儀社が写真からデジタル加工・印刷を行うことが一般的で、スマートフォンで撮った写真も使用できます。


生前に準備しておくメリット。

①自分の意思で写真を選べる

「この写真で覚えていてほしい」という気持ちを、自分で形にすることができます。表情・服装・背景・年齢——どのような姿を遺影にするかは、本来「本人が決めるべきこと」です。

②家族が急いで探す必要がなくなる

葬儀の準備は亡くなってから数日以内に行います。その慌ただしい時期に「写真を探せない」「どれがいいかわからない」という状況を防ぐことができます。

③いい写真をきちんと残せる

「写真嫌い」「カメラを向けると嫌がる」という方は特に、意識して準備しておかないとよい写真が残りません。


どんな写真が遺影に向いているか。

①表情

穏やかな笑顔、または柔らかい表情のものが適しています。「葬儀らしい」を意識しすぎる必要はなく、その人らしさが伝わる自然な表情がベストです。

歯を出して笑っている写真は、かつては「葬儀には合わない」とされることもありましたが、最近はそうした決まりにこだわらない方も増えています。

②一人で写っているもの

複数人が写っている写真は、加工でほかの人を消すことはできますが、自然な仕上がりになりにくいです。できれば一人でクリアに写っているものが理想的です。

③背景

白・ベージュ・淡いグレーなどが遺影の背景色として使われやすいです。ただし、専門の加工技術で元の背景を差し替えることができるため、必ずしも背景にこだわらなくても大丈夫です。

④服装

特に「礼服でなければならない」というルールはありません。好きな服・普段の服でも問題ありません。ただし、葬儀の場に並ぶため、あまりにも派手な色や柄は避けた方が無難という考え方もあります。

⑤年齢・時期

「何歳のときの写真がいいか」に決まりはありませんが、「最後に元気だったころの姿」を選ぶ方が多いようです。あまり古すぎると参列者が「誰だろう」となることもあるため、10〜20年以内の写真が使いやすいです。

⑥画質・解像度

スマートフォンで撮影した写真でも、最近の機種であれば十分な画質があります。ただし、暗い場所や遠い距離で撮った写真はぼやける場合があるため、明るい場所でしっかり顔が写っているものを選びましょう。


専門の「遺影撮影サービス」という選択肢。

近年、生前に遺影用の写真を撮影する「遺影撮影サービス」を提供する写真スタジオが増えています。

遺影撮影サービスの特徴

  • プロのカメラマンが撮影するため、きれいに仕上がる
  • ヘアメイクも含まれることが多い
  • 遺影に適した照明・角度で撮影してくれる
  • 撮影当日にデータで渡してもらえるため、すぐに保管できる
  • 「自分らしい遺影」を意識して準備できる

費用の目安

内容費用目安
スタジオ撮影のみ1〜3万円
ヘアメイク込み2〜5万円
データ納品込み1〜4万円

終活の一環として撮影するケースが多く、「ありがとうフォト」「生前遺影」などの名称でサービスを行うスタジオも増えています。

遺影撮影サービスの情報を調べる

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写真データの保管と家族への共有。

せっかく写真を選んでも、それが家族に伝わっていなければ意味がありません。

保管の方法

  • スマートフォンやパソコンに「遺影候補」フォルダを作成
  • 印刷した写真に「遺影用」とラベルを貼って大切に保管
  • 遺影撮影サービスを使った場合は、データをUSBや写真アルバムに入れておく

家族への共有の仕方

  • エンディングノートに「この写真を使ってほしい」と記載する
  • 家族に直接「遺影はこれを使ってほしい」と伝えておく
  • データの保存場所(フォルダ名・USBの在処)を書き留めておく

「そんな話をするのは縁起が悪い」と思う方もいるかもしれませんが、「自分の写真を選んでおくこと」は縁起の問題ではなく、「家族への思いやり」です。


親への切り出し方。

「遺影の話を親にするのは難しい」という方へ、切り出し方の例をご紹介します。

「いい写真を撮ろう」という話として

「最近、いい写真を撮る機会がないよね。記念に撮影しておかない?スタジオ写真、一緒に行こうよ」

遺影の話をせず、「家族の記念写真」や「プロフィール写真」として撮影しておき、データを保管するという方法があります。

終活の流れとして

「エンディングノートを整理しているんだけど、写真も一緒に選んでおいた方が安心じゃない?」

終活の一環として、自然な流れで進められます。

親が終活に積極的な場合

「遺影に使う写真、自分で決めておきたいって気持ちない?どれを使ってほしいか、教えてくれると助かるんだけど」

率直に伝える方が、「ありがとう、考えておく」という反応につながることもあります。


スマートフォンの中に「いい写真」が眠っているかも。

最近は、スマートフォンやデジタルカメラで日常の写真が大量に撮られています。その中に、遺影に適した写真が眠っていることがよくあります。

スキャン・確認のポイント

  • 明るい場所で、顔がはっきり写っているもの
  • 自然な表情で撮れているもの
  • 一人でいるシーン(旅行・食事・散歩など)

これらの写真を見つけたら、「遺影候補」としてまとめておきましょう。

また、親のスマートフォンの中にいい写真がある場合、生前のうちにデータをもらっておくか、写真のバックアップを一緒に取っておくことをおすすめします。


まとめ:「どの写真がいいか」は、元気なうちに。

確認・準備事項タイミング
写真を選ぶ or 撮影する元気なうちに
データの保管場所を決める今すぐ
家族・エンディングノートに共有するできるだけ早く
遺影撮影サービスの利用を検討記念写真の機会に

遺影写真は「亡くなってから急いで探す」ものではなく、「生前に自分らしい一枚を選んでおく」ものです。

「準備する」ことは、家族への最後の贈り物にもなります。今日、スマートフォンの中の写真を一度見直してみてください。

この記事を書いた人

編集部 / 城南終活取材班

城南5区 終活情報エディター

介護・福祉、葬儀・斎場、不動産、ファイナンシャルプランニングの実務経験をもつメンバーが執筆・監修。城南5区(大田・品川・目黒・世田谷・港)の現地を実際に訪ね歩き、足で確かめた一次情報をお届けします。

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