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自宅で最期を。在宅看取りの準備と、家族が知っておくこと。

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介護施設で過ごす高齢者のイメージ
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「最期は、家にいたい」という希望。

厚生労働省の調査では、「人生の最期を迎えたい場所」として「自宅」を挙げる人が最も多い一方、実際に自宅で亡くなる方は全体の約15〜17%にとどまります(多くは病院です)。

「自宅で最期を」という希望と現実のあいだには、どんな距離があるのでしょうか。

在宅看取りは、準備・サービス・家族の覚悟があれば実現できます。この記事では、在宅看取りに必要なことを整理します。


在宅看取りとは。

在宅看取りとは、病院ではなく自宅(または自宅に準じる場所)で、人生の最期を迎えることです。

老衰・がん・慢性疾患など、さまざまな状況で選択されることがあります。

在宅看取りのメリット

  • 慣れ親しんだ自宅・自室で過ごせる
  • 家族・ペットと一緒にいられる
  • 病院のような制約がなく、好きなものを食べたり、好きな時間に起きたりできる
  • 「本人らしい最期」を実現しやすい

在宅看取りの難しさ

  • 家族の介護負担が大きい(24時間の対応が必要になることも)
  • 急変時に家族が慌てないための準備が必要
  • 「死亡診断書」を書いてもらえる医師(かかりつけ医・在宅医)が必要

在宅看取りに必要な専門家チーム。

在宅看取りを実現するには、複数の専門家の連携が必要です。

専門家役割
在宅医(訪問診療医)定期的な自宅への訪問診療・緊急時の往診・死亡診断書の作成
訪問看護師医療的なケア・状態の観察・家族へのアドバイス
ケアマネジャー必要なサービスの調整・プラン作成
訪問介護スタッフ身体介護・生活支援
薬剤師(訪問薬剤師)在宅への薬の配達・服薬管理
医療ソーシャルワーカー(MSW)退院後の在宅移行を支援

この中でも特に重要なのが**在宅医(訪問診療医)**です。在宅での看取りには「かかりつけ医として定期的に診察してもらっている医師」が死亡診断書を書いてくれることが必要です。

「急に倒れたから在宅看取りにしたい」という急な場合は難しく、事前に在宅医との関係を築いておくことが重要です。


在宅看取りの流れ。

①在宅医・訪問看護師を決める

「自宅で最期を迎えたい」と決めたら、まずは在宅医(訪問診療を行うクリニック)を探します。

ケアマネジャーや病院の地域連携室(退院支援部門)に相談すると、地域の在宅医を紹介してもらえます。

②ケアプランを調整する

ケアマネジャーが、在宅看取りに向けたケアプラン(訪問診療・訪問看護・訪問介護の組み合わせ)を立てます。

③本人・家族の意思確認(ACP)

本人が「どこで、どのように最期を迎えたいか」を確認します。意識があるうちに、できるだけ本人の言葉で聞いておきましょう。

特に「延命処置(心肺蘇生・人工呼吸器・胃ろう)を希望するかどうか」は重要な確認事項です。

④緊急時の対応を決める

「急変したときに救急車を呼ぶか呼ばないか」を、在宅医・家族で事前に確認しておきます。

「救急車を呼んだ場合、蘇生処置が行われ、病院に搬送される可能性がある」ということを理解した上で、本人の意思に沿った判断ができるよう準備します。

⑤最期が近づいたら

在宅医・訪問看護師が状態の変化を確認し、「看取りが近い」と判断した際には家族に連絡があります。

多くの在宅医は24時間対応の体制を整えており、夜間・休日でも連絡できます。

⑥臨終・死亡診断

亡くなった後、在宅医が自宅に来て死亡を確認し、死亡診断書を発行します。在宅医との関係があれば、自宅での自然な死亡は「警察案件」にはなりません。


家族が準備しておくこと。

①在宅医の連絡先を全員が把握する

家族全員が在宅医・訪問看護師の連絡先を知っていること、そして「急変したら誰に連絡するか」の手順を確認しておきましょう。

「急変時コール先シート」を冷蔵庫や見やすい場所に貼っておくのが有効です。

②「119番を呼ぶか呼ばないか」を家族で統一する

「自宅で最期を」という意思があっても、家族が動揺して119番を呼ぶと、病院に搬送されて蘇生処置が行われる可能性があります。

家族全員が「この場合は救急車を呼ばず、在宅医に連絡する」という方針を共有しておくことが重要です。

③必要な介護用品を準備する

  • 介護ベッド(電動)
  • エアマットレス(床ずれ予防)
  • 吸引器(痰の吸引が必要な場合)
  • ポータブルトイレ
  • 経口補水液・栄養補助食品

ケアマネジャーと相談しながら、必要なものを揃えましょう。

④家族の心の準備と交代制を作る

在宅看取りは家族にとって大きな負担です。特に看取りが近づいてくると、24時間付き添いが必要になることもあります。

家族で役割分担を決め、無理なく継続できる体制を整えることが重要です。

「ひとりで抱え込まない」ことが、在宅看取りを続けられる鍵です。

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在宅看取りの費用。

在宅看取りにかかる費用は、利用するサービスの種類・頻度によって異なります。

サービス費用の目安(自己負担1割の場合)
訪問診療(月2回)約5,000〜10,000円/月
訪問看護(週3回)約10,000〜20,000円/月
訪問介護(週5回程度)約15,000〜25,000円/月
訪問薬剤師約1,000〜2,000円/回

入院と比べると安くなるケースが多いです。終末期の入院費は医療費・室料など月30〜60万円以上になることもあります。


在宅看取りができないケース。

すべての状況で在宅看取りが選べるわけではありません。以下の場合は病院・施設での看取りの方が適切なことがあります。

  • 一人暮らしで家族の支援がない場合
  • 家族の介護力・精神的な体力が限界の場合
  • 医療的処置(気管切開・人工呼吸器管理)が必要な状態
  • 本人が「施設または病院で最期を迎えたい」と希望している場合

「在宅看取りでないと本人の希望を叶えられない」わけではありません。本人の意思・家族の状況を合わせて、医師・ケアマネジャーと話し合いながら選ぶことが大切です。


城南5区での相談先。

相談先内容
かかりつけ医・在宅医訪問診療・看取りの方針の相談
ケアマネジャー在宅看取りに向けたサービス調整
病院の地域連携室入院中からの在宅移行の相談
地域包括支援センター在宅医・訪問看護の紹介

まとめ:在宅看取りを実現するための5つのステップ。

ステップ内容
1本人の「最期の場所の希望」を聞いておく
2在宅医(訪問診療医)を事前に探しておく
3延命処置の意思を家族・医師で共有する
4急変時の対応手順(119番を呼ぶかどうか)を決める
5家族で役割分担し、無理なく続けられる体制を作る

「自宅で最期を」という希望は、準備があれば実現できます。

ただし、「その日が来てから急いで準備する」では間に合わないことが多いのも事実です。親が元気なうちから在宅医との関係を築き、家族で話し合っておくことが、本人の望む最期への第一歩です。

この記事を書いた人

編集部 / 城南終活取材班

城南5区 終活情報エディター

介護・福祉、葬儀・斎場、不動産、ファイナンシャルプランニングの実務経験をもつメンバーが執筆・監修。城南5区(大田・品川・目黒・世田谷・港)の現地を実際に訪ね歩き、足で確かめた一次情報をお届けします。

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