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誰が、何をするか。兄弟で介護を分担するときのコツ。

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介護施設で過ごす高齢者のイメージ
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「なぜ私だけが…」という気持ち。

介護が始まると、家族の中で「不公平感」が生まれることがあります。

「私は近くに住んでいるから、毎日のことは私がやるしかない」「遠くに住んでいる兄弟は電話一本もよこさない」「費用の分担を相談したいのに、なんとなく言い出せない」——こういった感情は、介護をしている多くの家族が経験することです。

介護は長期戦です。一人が抱え込むと、介護者自身が先に倒れてしまいます。

「最初から全部うまく分担できる家族」はほとんどいません。大切なのは、話し合いの場を作ることと、それぞれができることを見える化することです。


なぜ役割分担は自然には決まらないのか。

「みんな忙しいから、なんとなく近くにいる自分がやることになる」——この「なんとなく」の積み重ねが、やがて不満と疲弊につながります。

役割分担がうまくいかない背景には、いくつかの構造的な問題があります。

問題内容
物理的距離の差親の近くに住む人に「お願いしやすい」という空気が生まれる
性別への期待「娘が介護するもの」という古い感覚が残っている
職業・生活スタイルの差「仕事が忙しい」「子育て中」など、それぞれの事情が異なる
コミュニケーション不足「どうなっているか」を共有できていない
「言い出しにくい」雰囲気お金の話・役割の話を切り出すこと自体に抵抗がある

「なんとなく決まってしまった役割分担」は、後から不満が噴出しやすいです。早い段階で意識的に話し合うことが、長く続けられる介護への第一歩になります。


「介護」は、する・しないだけではない。

「介護をする」というと、「身体的な世話をする」というイメージがあります。しかし、介護には実に多くの役割があります。

介護の役割の種類

種類具体的な内容
身体的ケア食事・入浴・排泄のサポート、病院への付き添い
生活サポート買い物・料理・掃除・洗濯
精神的サポート話し相手、電話・訪問での見守り
情報収集・調整介護サービスの調査・ケアマネジャーとの連絡・施設見学
金銭管理通帳管理・費用の支払い・各種手続き
緊急時対応急変時の病院連絡・入退院の手配
費用負担介護費用の支出(全額または一部)

「毎日の身体介護は自分、情報収集や施設探しは兄弟に、費用の一部は遠くの兄弟に出してもらう」という分担も十分な協力です。

「物理的な介護ができない」人が「費用を多く負担する」「週1回の電話・訪問を担当する」という形も、立派な役割分担です。


役割分担を話し合う前に、整理すること。

話し合いの前に、現状をできるだけ具体的に把握しておくことが大切です。

①親の状態の整理

確認事項内容
要介護度現在の認定区分と、今後の見通し
使っているサービス訪問介護・デイサービス・通院など
かかっている費用月の介護費用・医療費の概算
今困っていること日常の中でどんなことが大変か

②自分(介護者)の状態の整理

確認事項内容
今やっていること週何回・どんな内容を担っているか
負担を感じていること体力的・精神的・時間的に何が辛いか
お願いしたいこと具体的に誰に何をしてほしいか

「私はこれだけやっている」「これが辛い」「これを手伝ってほしい」という形で伝えられると、話し合いが進みやすくなります。

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話し合いの場を作るコツ。

「介護の話し合い」は、タイミングが難しいです。

  • 「親が入院したとき」は危機的状況で余裕がない
  • 「問題が起きてから」では感情的になりやすい

できれば**「まだ余裕があるうち」に一度、家族で話し合う機会を作る**ことをおすすめします。

話し合いのポイント

ポイント内容
場所・タイミングお盆・正月などで全員が集まったときに「少し話したい」と切り出す
親も交える親本人を含めて話すことで、当事者意識が生まれる
感情より事実から入る「あなたは何もしていない」ではなく「今こういう状況です」から始める
役割を決めすぎない「完璧な分担」より「まず何かひとつお願いする」から
ケアマネに入ってもらう中立的な立場の専門家が間に入ると感情的になりにくい

「言いたいことが言えない」「話し合いがうまくいかない」という場合は、ケアマネジャーや地域包括支援センターのスタッフに相談してみてください。家族の調整役を担ってくれることがあります。


遠くに住む兄弟にできること。

「遠くにいるから何もできない」は、半分は本当で、半分はそうでもありません。

遠距離でもできる役割内容
定期的な電話・ビデオ通話週1〜2回、親と話す時間を作る。「生存確認」と「精神的サポート」
帰省時の集中ケア帰省したときに通院同行・施設見学・役所手続きをまとめてやる
費用の負担現地介護者が時間を使っている分、遠方の兄弟が費用を多く出す
情報収集・調査施設の評判調査・介護サービスの比較・専門家への問い合わせ
緊急時の対応計画急変時に「すぐ来る」という約束をしておく

「近くにいる人が身体的なケアを担い、遠くにいる人が費用・情報収集・緊急時対応を担う」という分担は、多くの家庭で機能しています。


費用の分担について。

介護費用の分担は、最も話し合いが難しいテーマのひとつです。

基本的な考え方

原則として、介護費用は親の資産(年金・貯金)から出します。親の財産が十分にある場合は、子どもが出す必要はありません。

親の資産だけでは足りない場合に、初めて子どもたちで「不足分をどう補うか」を考えます。

子どもが費用を出す場合の考え方

考え方内容
均等分担子どもの人数で割る。シンプルで公平感がある
収入比例収入に応じて出し合う。負担能力に配慮
役割との交換身体介護を担う人は費用を少なく・遠方の人は費用を多く
一人が立替・後で精算窓口を一本化し、定期的に精算する

どの方法が正解とは言い切れません。家族の状況・感情・関係性によって最適解は異なります。

大切なのは「透明性」です。 何にいくら使ったかを記録しておき、全員に共有できる状態にしておくことで、後からの疑念や摩擦を防げます。


「介護者を介護する」という発想。

近くで日常的な介護を担っている人が「燃え尽きないようにする」ことも、家族全員の重要な役割です。

介護者へのサポート内容
定期的な交代月に1〜2回、遠方の兄弟が来て「介護者の休日」を作る
話を聞く「大変だね」と受け止めること。アドバイスより傾聴が先
感謝を言葉にする「ありがとう」という言葉は、介護者の精神的な支えになる
ショートステイの活用短期入所サービスを使い、介護者が一時的に休む機会を確保

「ありがとう」と「お疲れ様」が言い合える家族は、長い介護を乗り越えることができます。

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まとめ:兄弟で介護を分担するためのポイント。

ポイント内容
早めに話し合う「まだ大丈夫」な段階で一度、家族で現状を共有する
役割は「身体ケア」だけではない情報収集・費用・精神的サポートも立派な役割
遠方でもできることがある電話・費用分担・帰省時集中ケア・緊急対応
費用は透明に記録して全員に共有することで疑念を防ぐ
中立の専門家を活用するケアマネ・地域包括に間に入ってもらう
介護者を支える「ありがとう」と定期的な交代で、一人に偏らない

「誰が一番大変か」を競うのではなく、「どうすれば全員で乗り越えられるか」を話し合う。

介護は、家族の関係性を映す鏡でもあります。難しい話し合いの先に、家族として新しい形の信頼関係が生まれることもあります。

この記事を書いた人

編集部 / 城南終活取材班

城南5区 終活情報エディター

介護・福祉、葬儀・斎場、不動産、ファイナンシャルプランニングの実務経験をもつメンバーが執筆・監修。城南5区(大田・品川・目黒・世田谷・港)の現地を実際に訪ね歩き、足で確かめた一次情報をお届けします。

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