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介護する家族が、つぶれないために。介護者のメンタルヘルス。

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介護施設で過ごす高齢者のイメージ
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「頑張れているうちは、限界に気づかない」

介護をしている方と話すと、よくこういうことを言われます。

「毎日のことだから、これが普通になってしまって。つらいのかどうかもわからなくなってきた」

介護は、始まりはあっても終わりが見えないことが多い。仕事や子育てと重なることもある。「親のために」という気持ちが強ければ強いほど、自分のことは後回しになります。

この記事は、介護をする家族のために書きました。「どうか、自分を大切に」——そう言葉で言うより、具体的に何ができるかを一緒に考えます。


介護者がつぶれるのは珍しいことではない。

厚生労働省の調査によると、要介護者を在宅で介護している家族の約3割が「精神的な負担が非常に大きい」と答えています。また、介護を理由に仕事を離れた人(介護離職)は年間約10万人とも言われています。

介護うつ(介護燃え尽き症候群)の症状

  • 眠れない、または眠りすぎる
  • 食欲がわかない
  • 将来への希望や楽しみが感じられなくなった
  • 「もう消えてしまいたい」という気持ちが浮かぶことがある
  • 親に対して怒りや嫌悪感を感じて、自己嫌悪になる
  • 介護から逃げ出したいという気持ちが頭から離れない

これらは「心が弱い」のではありません。介護という状況が作り出す、自然な心の反応です。


介護者が疲弊するメカニズム。

①終わりが見えない

病気のように「完治すれば終わり」がない。むしろ介護度が高くなるにつれ、負担が増えていく。「いつまで続くんだろう」という見通しのなさが、精神的な消耗を加速させます。

②「してあげて当然」という空気

介護を「家族がやるのは当然」という空気がある中で、しんどいと言い出せない。「他にやる人がいないから」「施設に入れたら薄情と思われる」——そうした重圧が、助けを求めることを難しくします。

③孤立しやすい

友人と会う時間が取れない。介護のことをわかってもらえる相手がいない。似た境遇の人とつながれない。孤独な介護は、負担を何倍にも重くします。

④役割の混乱

「子ども」として育ててもらった親が、今度は「介護される側」になる。その関係性の逆転に、戸惑いと痛みを感じるのは自然なことです。介護をしながら「悲しみ」の感情を処理する暇もない、という方も多くいます。


「自分を後回しにしない」ために、できること。

①「サービスを使うこと」は逃げじゃない

「自分でやらなければ」という義務感から、使えるサービスを使わない方がいます。しかし、介護保険サービス(訪問介護・デイサービス・ショートステイ)を使うことは、介護者の心身を守ることでもあります。

つぶれた介護者が最終的に介護を続けられなくなることの方が、本人にとってつらい結果になります。

「サービスに頼ること」は、長く介護を続けるための合理的な選択です。

②「つらい」と言える場所を持つ

介護者のための相談窓口があります。プロに話すことで、気持ちが整理されることがあります。

相談先内容
地域包括支援センター介護相談・サービス紹介・家族支援。城南5区各区に複数設置
介護者手帳・介護者カフェ同じ立場の人と話せる場
こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)精神的な不調の相談窓口(都道府県が設置)
かかりつけ医・精神科・心療内科眠れない・気力がわかないが続く場合は受診を

③「自分の時間」を意図的に作る

「親から離れる時間を作ることへの罪悪感」——介護者の多くが感じることです。しかし、自分の時間を確保することは、介護の質を保つために必要です。

**ショートステイ(短期入所生活介護)**は、一時的に施設に泊まってもらうサービスです。年に数回、数日間だけ使うだけでも、介護者の疲弊は大きく変わります。

「後ろめたい気持ちになる」という方には、こう考えてみてください。「あなたが元気でいることが、一番の介護です」と。


レスパイトケアとは。

**レスパイト(respite)**は「休息・息抜き」という意味です。介護する家族が一時的に介護から離れられる機会を提供するサービスや仕組みを「レスパイトケア」と言います。

サービス内容
ショートステイ(短期入所)施設に数日〜数週間泊まってもらう。要介護度に応じた費用
デイサービス日中、施設で過ごしてもらう。送迎付き
訪問介護ヘルパーが自宅に来てケアしてくれる時間、外出・休息できる
介護者交流会・家族会同じ境遇の人と話せる場。精神的な支えになる
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仕事と介護の両立が限界のとき。

「介護離職」を考え始めている方へ。できる限り、辞める前に以下を確認してください。

①介護休業制度(法定)

  • 要介護状態の家族1人につき通算93日(3回まで分割取得可)の休業が取れる
  • 雇用保険から介護休業給付金(賃金の67%相当)が支給される

②介護休暇制度(法定)

  • 1年度につき5日(対象家族が2人以上は10日)の介護休暇が取れる(無給のケースあり)

③勤務時間の短縮・テレワーク

  • 介護を理由にした所定外労働の制限(残業免除)が申請できる

仕事をやめる前に、職場の人事・総務に相談してみてください。制度を使える環境の方が、経済的にも精神的にも安定します。


「手放すこと」を、自分に許す。

介護において「手放すこと」の選択が出てくることがあります。

  • 在宅介護から施設介護へ切り替える
  • 自分一人でやめて、兄弟に一部を担ってもらう
  • プロに任せる部分を増やす

「これをやめたら、親に申し訳ない」という気持ちはよくわかります。しかしそれは、親を見捨てることとは違います。

親を愛しているからこそ、自分がつぶれないように「手放す」選択ができることもあります。

「なんでも自分でやろうとしてきた」という方ほど、「誰かに頼る」ことへの抵抗が強い傾向があります。でも、助けを求めることは弱さではありません。それは、介護を長く続けるための知恵です。


城南5区の家族介護者向け支援。

大田区・品川区・目黒区・世田谷区・港区では、それぞれ家族介護者向けの支援が整備されています。

支援の種類相談先
介護者相談・カフェ各区の地域包括支援センター・社会福祉協議会
精神的サポート区内のこころの相談窓口・かかりつけ医
介護離職防止相談各区の就労支援センター・ハローワーク
緊急ショートステイ緊急時に施設に一時入所できる制度あり(要事前登録)

「まず話を聞いてもらいたい」という段階でも、地域包括支援センターに電話するだけで大丈夫です。

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まとめ:介護者が自分を守るための5つのこと。

行動内容
1「つらい」と言える場所を作る(相談窓口・家族・友人)
2使えるサービス(デイ・ショートステイ)を積極的に使う
3仕事を辞める前に、介護休業・休暇制度を確認する
4睡眠・食事・運動の基本を崩さない努力をする
5「手放すこと」を自分に許す。施設も選択肢のひとつ

介護は「してあげること」と同時に「続けられる自分でいること」が必要です。

あなたが元気でいることが、親にとっても一番の安心です。「自分のため」と「親のため」は、実は同じ方向を向いています。

「もう限界かもしれない」と感じたとき、誰かに話してみてください。ひとりで抱え込まなくていい、というのが、この記事で最も伝えたいことです。

この記事を書いた人

編集部 / 城南終活取材班

城南5区 終活情報エディター

介護・福祉、葬儀・斎場、不動産、ファイナンシャルプランニングの実務経験をもつメンバーが執筆・監修。城南5区(大田・品川・目黒・世田谷・港)の現地を実際に訪ね歩き、足で確かめた一次情報をお届けします。

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