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訪問入浴サービスとは。自宅で入浴できない親のための選択肢。

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「お風呂に入れてあげたいけど、難しくて」

体が不自由な親の入浴介助は、家族にとって大きな負担のひとつです。

「自宅の浴槽は狭くて、転倒が心配」「車いすが必要で、浴室に入れられない」「寝たきりで、自分では体を支えられない」——そういった状況で、親の清潔ケアを諦めていませんか?

「訪問入浴サービス」は、こうした状況のために存在しています。専用の浴槽車が自宅を訪問し、スタッフが入浴全般をサポートしてくれます。


訪問入浴サービスとは。

訪問入浴サービスは、移動入浴車(浴槽を積んだ専用車両)と介護スタッフが自宅を訪問し、居室などの場所で入浴介助を行う介護保険サービスです。

項目内容
対象者要介護1〜5の認定を受けた方(要支援1〜2は対象外が多い)
訪問人数通常3名(看護師1名+介護スタッフ2名)
所要時間約30〜60分(準備・入浴・片付けを含む)
場所自宅の居間・玄関先など(浴室ではなく持参した浴槽を使用)

「浴室に入る」のではなく、「浴槽を持って来てもらう」というイメージです。


訪問入浴サービスの流れ。

実際の訪問入浴はどのように行われるのか、一回の流れを確認しましょう。

手順内容
1スタッフ3名が自宅に到着(車両駐車スペースが必要)
2バイタル(体温・血圧・脈拍)を確認し、入浴が可能かチェック
3居室に浴槽(折り畳み式)をセットし、お湯を張る
4介護スタッフが本人を浴槽まで移動し、入浴介助を行う
5洗髪・洗体・すすぎ・着衣までサポート
6バイタルを再確認し、問題がなければ終了
7浴槽・汚水を片付けて撤収

バイタルが基準を超える場合(発熱・血圧が高いなど)は、その日の入浴を中止する場合があります。清拭(タオルで拭くケア)に切り替えることが多いです。


訪問入浴サービスの費用。

訪問入浴サービスは介護保険が適用されます。

費用の区分金額(1回あたり)
介護保険適用(介護報酬)約1,260円/回(利用者1割負担の場合)
全額自費利用(保険外)の場合事業者によって異なる(目安12,000〜20,000円/回)

1割負担の場合の費用例

要介護3の方が週2回利用した場合:約1,260円×8回(月)≒約10,080円/月

2割・3割負担の場合は費用が上がります。住民税の課税状況によって異なるため、ケアマネジャーに確認してください。


通常の訪問介護(入浴介助)との違い。

「訪問介護で入浴介助をしてもらう」という方法もあります。どのように違うのでしょうか。

比較項目訪問入浴サービス訪問介護(入浴介助)
浴槽専用浴槽を持参自宅の浴槽を使用
自宅の浴室状況関係ないバリアフリー化が必要な場合も
スタッフ人数通常3名通常1〜2名
向いている方寝たきり・重度介護の方軽〜中等度の介護状態の方
費用(1回)約1,260円(1割)約400〜800円(時間による)
介護度の目安要介護3以上に多い要介護1〜2でも利用可

体の不自由が重いほど、訪問入浴の方が適している場合が多くなります。自宅の浴室への移動が困難・自分の力で体を支えられない・医療的な観察が必要——こういったケースには訪問入浴が向いています。


訪問入浴を利用するための手続き。

①要介護認定を受ける

訪問入浴サービスは介護保険サービスのため、要介護1〜5の認定が必要です(要支援の方は利用できないケースが多い)。

まだ認定を受けていない場合は、市区町村に申請します。

②ケアマネジャーに相談

要介護認定を受けたら、担当のケアマネジャーに「訪問入浴を利用したい」と伝えます。ケアプランに組み込んでもらいます。

③事業者の選定・見学

ケアマネジャーから複数の訪問入浴事業者を紹介してもらい、選択します。

事業者選びの確認ポイント

確認項目内容
看護師の同行毎回看護師が同行するか(医療的な観察が必要な方は特に確認)
対応できる状態気管切開・褥瘡・医療機器使用者への対応可否
車両の駐車場所自宅前に車両が停められるか(住宅街・マンションは要確認)
緊急時の対応入浴中に急変した場合の連絡体制
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訪問入浴が難しいケース。

以下のような状況では、訪問入浴サービスが利用できない・難しい場合があります。

状況対応
重篤な感染症(MRSA等)がある事業者によって対応が異なる。相談が必要
車両が駐車できない立地路上駐車が困難な都市部の場合、手配が難しいことも
浴槽を置くスペースがない広さが確保できない場合は清拭サービスを検討
体調が安定しないバイタルによっては毎回中止になることもある

「清拭(せいしき)」は、タオルや蒸しタオルで体を拭くケアです。入浴の代替手段として訪問介護で対応してもらうことができます。完全に入浴と同じではありませんが、清潔を保つための大切なケアです。


「週に何回入れるか」の考え方。

介護保険の支給限度額の範囲内で利用できる回数が変わります。

要介護度支給限度額(月額)目安訪問入浴の利用可能回数(目安)
要介護1約167,650円週1〜2回
要介護2約197,050円週1〜2回
要介護3約270,480円週2〜3回
要介護4約309,380円週2〜3回
要介護5約362,170円週3回程度

他の介護保険サービス(訪問介護・デイサービスなど)との組み合わせで支給限度額を使い切らないよう、ケアマネジャーとバランスを相談してください。


「お風呂に入れる」ことの大切さ。

入浴は単なる清潔ケアではありません。

  • 体の緊張がほぐれ、血流が良くなる
  • 褥瘡(床ずれ)の予防になる
  • 皮膚状態の確認ができる(看護師がチェックする機会になる)
  • 本人の気持ちがさっぱりし、活力が出ることが多い
  • 家族との「入浴させてあげられた」という安心感

「清潔でいられること」は、尊厳ある生活の基本です。自宅での入浴が難しいからこそ、訪問入浴という選択肢を積極的に使ってください。


まとめ:訪問入浴サービスの選び方。

ポイント内容
対象者要介護1〜5(重度の方ほど向いている)
費用1回約1,260円(1割負担)。月定額ではなく利用回数分
手続きケアマネジャー経由で事業者を選択・ケアプランに組み込む
確認事項看護師同行・車両駐車・緊急時対応
代替手段入浴できない日は訪問介護の清拭サービスを検討

「お風呂に入れてあげたい」——その気持ちに応える手段があります。

ケアマネジャーに「訪問入浴を検討したい」と一言伝えるだけで、選択肢が広がります。

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この記事を書いた人

編集部 / 城南終活取材班

城南5区 終活情報エディター

介護・福祉、葬儀・斎場、不動産、ファイナンシャルプランニングの実務経験をもつメンバーが執筆・監修。城南5区(大田・品川・目黒・世田谷・港)の現地を実際に訪ね歩き、足で確かめた一次情報をお届けします。

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